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そこは理想郷か極楽、浄土か?!【映画 ELYSIUM】 [映像・音楽]

言われていたより残暑も長引かず、程よい涼しさが朝晩を駆け抜ける季節になりましたね。
先週末から少し左膝に痛みを覚えて、少しランの量を抑えて運動してる日々がもどかしいくらい風が気持ち良いです。

さて、先日の誕生日の夜は毎度の事ですが独りでレイトショーと洒落込んで来ました。

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観て来たのは【第9地区】で広く認知される事になった“ニール・ブロムカンプ”監督の最新作【ELYSIUM】です。
邦題では【エリジウム】と表記されてますがこの言葉はギリシャ語でElysion(エリュシオン)を語源とし、ギリシア神話に出て来るこの世の果ての理想郷を指すんですよね。しかも発音的には「イリジウム」だと思うのですがあの衛星電話(iridium)と同じだと問題があって語源のエを貰って【エリジウム】なんでしょうかねぇ。


私は監督の前作である【第9地区】は未見なのですが、今作を観てなんとなく観てみたいと思いました。
と言うのも今作の主役“マックス(演じるはマット・デイモン)”と対峙するしぶとい敵役“クルーガー”役のシャールト・コプリーが主役だっと知ったからです。
今回、憎たらしいまでの悪役が主役になってる様はちょっと興味引かれますからねぇ。
 
このお話の舞台は人類の爆発的増加に伴って荒廃した2154年の地球はL.Aとそんな地球から脱出して400kmの彼方に建造されたスペースコロニー・エリジウムなになる訳ですが、主役の“マックス”が幼い頃、シスターに諭されるシーンで昼間の月の様に白く浮かぶスピナーのようなエリジウムの表現が秀逸で細かいSFの設定を語る事なく見事に観客を納得させる絵になっています。
このエリジウムの形状はまるで自転車の車輪の様な形状をしており、自転する事で重力を発生させ、その事でなんと居住区の天井はそのまま宇宙空間と繋がっているが大気は遠心力で抑え込むと言う設定になっており、地球からエリジウムへと移住を求める侵入者がシャトルで直接乗り込むと言うシーンが何度も描写される事になります。
この辺りの細かいSF考証はあのサンライズ作品には欠かせない森田繁氏がパンフでコラムを書かれてますし、何より作品内では語られてない背景やらメカ系の設定がみっちりと掲載されてて久しぶりに全部読まなきゃと言う気にさせてくれる充実のパンフになってますので、是非、観に行ったら買いましょう(^_^)b
ちなみに一番驚いたのはジョディ・フォスター演じるエリジウムの“デラコート”防衛長官の年齢でしょうか(爆)


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↑カーソルを合わせると(iPhone/iPadの場合はタップすると)Before/Afterします。
今作の主人公・“マックス”はいつかエリジウムへの移住を夢見るがためにエリジウムやエリジウムにしかないどんな病気でも根治してしまう医療ポッドを開発した究極のブラック企業「アーマダイン社」のドロイドを組み立てる工場で働く労働者として登場しますが、自動車泥棒などの悪事に手を染めた過去を持つ為に地球を管理するエリジウム側に睨まれてる存在として描かれてます。
 
それが何故、余命5日の体になり、エクソ・スーツと呼ばれる戦闘用強化外骨格を装着(装着と言うには酷い取り付け方)されるのかと思ったら、ドロイドを組み立て中に被爆って、しかも理不尽な命令のせいで、そのまま解雇って、どんだけ格差社会なんだよ、こんな社会にだけはしちゃいけないけど他人事じゃないのかもなぁと少しだけブルーな気持ちになりました。
このエピソードがきっかけなりエリジウム側で起こってる実権を握らんとする“デラコート”の暗躍がクロスする事で物語が動き出す訳ですがこの辺りが実に自然で良いです。
 
そういう背景を抜きにしてSFアクションとして観るなら、実にガジェットの魅せ方が巧い監督さんだなぁと言う印象なんですが、この監督さんならあの【GATCHAMAN】の描写ももっとスカッとしたモノになっただろうなぁと思わずにはいられません。

なんとなく、主人公がマックス故にではなく、画面から立ち籠める雰囲気が【MAD MAX】を彷彿とさせるのは気のせいなんでしょうかねぇ。
面白いか面白くないかと問われれば窮する感じの映画ですが、こういうSF映画って最近、なかったから私は好きですねぇ。
SONY PICTURES 配給でもありますし、支持します(爆)



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