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こんなアプローチがあったのか!!【花戦さ at MOVIX亀有】 [映像・音楽]

何だか、今の処、本格的な梅雨って感じにはなってないですねぇ。
降る時にしっかり降るって感じになってくれないと却ってモヤモヤしますわ。

さて、今日は一週前の金曜のレイトショーで観て来た映画のお話です。この作品、本来なら封切り日に観に行く筈だったのですよねぇ(^_^;;)



観て来たのは初めて劇場で予告編を観た時から観たいと思っていた時代劇【花戦さ】です。主演は野村萬斎氏、しかも時代劇なのにお武家様に焦点を当てる決まり切ったお話ではなく、なんと花僧つまり華道の根源に当たる初代・池坊専好を演じられるとあっては、一体どんなお話になるのか全く見当がつきませんでした。予告編を観た限り、間違いなく殺陣のあるシーンなど微塵も出て来てなかっただけに余計にドキドキワクワクしながら臨みました。

時代は織田信長没落前から豊臣秀吉が没落する前までを背景に、織田信長、豊臣秀吉、千利休や前田利家などと言った誰もが知る歴史上の人物とこれまた歴史上の人物ながらこれまであまり焦点を当てられた事のなかった池坊専好との袖摺り合うも多少の縁から出て来るお話を紡ぎ上げて二時間たっぷりと描き切っております。よって、切った張ったのシーンはほぼありません。人の機微を描いてる上に主人公がお坊様なのとライティングが明るめなので一瞬、現代劇と錯覚してしまう程でした。
昨今の『駆込み女と駆出し男』や『殿、利息でござる!』と言った殺陣要素少なめな類と同じ種類の時代劇に分類される作品だと思います。なので、殺陣観たさの方は物足りなく感じるのかもしれませんが、殺陣抜きでお話として成立させてる事に私は甚く感動しました。


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何より、冒頭しか登場しない織田信長を中井貴一さんが演じてらっしゃるのが少し疑問でしたが、それは終わってみれば成る程と膝を打つ仕掛けでしたし、何より、千利休を演じた佐藤浩市さんと秀吉を演じた市川猿之助の有名なやりとりは鳥肌モノですし、その際に一瞬、魅せる佐藤浩一さんの鬼にも見えてしまう形相はお父様を越えたのではとさえ、思ってしまった程です。 昨今の秀吉は晩年の狂気を描かれる事が多く、今作も同様に描かれ脇に小姑・三成が居る図式で事は進むのですが観客が皆、秀吉憎しになれば成る程、ラストが味わい深いものになります。 それだけ猿之助さんの秀吉が凄かった訳です。それ以上に野村萬斎氏が演じる専好が自由奔放だからこそ、明と暗がくっきりしてお話として成立したと思っています。
で、実は物語に大きく関わる森川葵さんが演じる蓮(れん)が凄く良くて、最初、森川さんだと気付かず誰だろう、この女優さんは?と思ったほどでした。鶴瓶さんの『A-studio』のアシスタントを務めた女の子で一番、凄くなったと思った女優さんになりました。彼女の演技が良かった事も本当に最後のシーンで安堵して観客はエンドロールを迎えられる一因になってます。

ネタバレをあまりするとこれから鑑賞の方に申し訳ないのでフワッとした事しか綴ってないので伝わりづらいかもしれませんが、殺陣要素がなくてきっちり二時間魅せられる時代劇が生まれた事は時代劇ファンにとっては素晴らしい福音になったと思っています。
余談ですが、音楽がなんと久石譲さんだと知ったのはエンドロールでの事でした(爆)



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