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正統派ジュブナイル映画の誕生!【ペンギン・ハイウェイ at MOVIX亀有】 [映像・音楽]

九州に向かって接近中の台風が二個もあるせいか、大気が不安定ですね。
妙な刺激を受けて突然、襲い来るゲリラ豪雨なんて事もありそうで落ち着かない空模様が続きそうです。昔の様に分かりやすい夕立がめっきり減って、ゲリラ豪雨だとか記録的短時間大雨だとかばかりに支配されるこの空模様は地球の悲鳴なのかもしれません。

さて、そんな雨と言いますか水と言いますか、生命の源的な事に触れてると感じる映画を見てきたのでそのお話です。



それは予告を観た時から気になっていた【ペンギン・ハイウェイ】です。
最初、予告を観た時はあの“森見登美彦”先生の小説だとは思ってなくて後にそうだと知ってからは【四畳半神話大系】が少し苦手で同様に【夜は短し歩けよ乙女】も観ず嫌いだったので観るのを少しだけ躊躇してました。

そんな時、“WOWOW”で【夜は短し歩けよ乙女】が放送されていたのを観て、案外大丈夫かなぁ、キャラも違うし(笑)って事で劇場に脚を運んだのでした。多分、湯浅監督が苦手なんだなぁと思ったのは内緒です(^_^;;)

penguin_highway_001.jpg
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お話は主人公である天才少年・アオヤマ君が小学四年生の夏に遭遇した不思議な事象たちを通して成長していく様を描くものです。こう括るとなぁんだと思われそうですがその着眼点が大きく違っていてそんな不思議な事象たちを研究対象として調べ、検証し結論へと導くと言う、およそ普通の十歳とは掛け離れた部分が物語としての膨らみを担っている事でしょうか。そんなアオヤマ君が勝手に人生の伴侶と決めている謎多きお姉さんとお姉さんが生み出すペンギンの謎、友達のウチダ君が手掛ける“プロジェクト・アマゾン研究”にアオヤマ君に匹敵する賢い転校生・ハマモトさんが見つけた謎の球体〈海〉の研究、それらが幾重にも重なって、アオヤマ君の仮説、推論、検証、それらが結実(エウレカ)した時、どんな結末が待ち構えているのか、二時間弱に鏤められた瑞々しい青春の終幕がほろ苦くも凛々しいものであるのです。

アオヤマ君とハマモトさんがどちらもチェスに長けており、大人びてる印象が強い事から、同年代の子供が観て、表層的かそれとも深く刺さる映画になるかは個々の資質で随分、変わりそうです。ただ大量に出て来るペンギン達の可愛くもあり、凄まじくもある動きだけを追いかけても良いですし、起承転結もしっかりしてて盛り上がりは思ったよりダイナミックでアオヤマ君の成長を見届ける終わり方は実に正統派で、モヤッとする展開の作品が意外と多い中、安心して観られるものでした。
エンドロールで流れる“宇多田ヒカル”さんの新曲「Good Night」も本作のテーマに沿って制作されてるだけにグッときますし、ね。
 
最後にこの作品で本格的な長編アニメーション映画の制作スタジオとして船出した“スタジオコロリド”の作品がこれからも観られる様に本作がヒットされん事を祈って終わりにしたいと思います。



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