今日から十月ですね。
消費税が何かと世間を騒がせていますが個人的にはモノによって税率が違う事よりそもそも何に宛がうための増税なのか暈かしてる感の方に疑問を投げ掛けたくなります。
さてそんな十月第一日目にお送りするのは一昨日、観て来た映画のお話です。観て来たのは8年ほど前の韓国映画『Blind』を基に日本でリメイクされた【見えない目撃者】です。元々の作品を観てないのでハッキリとは分かりませんが、主人公の女性をただの視覚障害者から警察学校を主席で卒業しながら着任前に自動車事故を起こし自らは失明、同乗していた弟を死なせてしまい心に傷を負った元警察官と言う設定にした事で終盤に向けて明らかになっていく猟奇的女子高生連続殺人犯との対峙が際立っていてとても良かったです。
この手のスリラーは嫌いじゃないのですが【ミュージアム】みたいに精神的にダメージを受ける系のグロいのだったら態々、劇場で観る気にならないのでどうしたものかと逡巡していたのも事実です。でも、最後は吉岡里帆さんの凛々しさ見たさに無料クーポンを使って観に行く事にして大正解でした。 ↑カーソルを合わせてクリックすると(iPhone/iPadの場合はタップすると)別ウィンドウで展開します。
犯人が誰かはこの手のスリラーが好きならすぐ分かってしまうのでここでは伏せます。それより最後に主人公･浜中なつめが犯人とどう対峙するか、そして自身が抱えてしまったトラウマをどう克服して前を向いて生きていくかに着目して観た方がより感情移入出来て面白いと思います。また主人公･なつめとバディを組む事になる高校生･国崎春馬(演じるは平成ライダー出身の高杉真宙さん)も実に良いのです。彼が抱えるモヤモヤとしたものがなつめと接する事で最後、きっとこう言うだろうなぁと言う台詞で終わるのですが、それが例え予定調和的であってもこの手のスリラー特有の後味の悪さを払拭してくれる清涼剤の役目を果たしてくれてスッキリします。
吉岡さん演じるなつめの元々持ち合わせていた警察官としての器量が弟を死なせた交通事故で封印されていたのに時間経過と共にそれが復活していく様は実に新鮮で、原作を買い取ってオリジナルで別の作品を作れるのではと思ってしまうほどでした。
犯人役の俳優さんもネタバレになるので名を伏せますが今まで演じた役からすると意外な犯人役ながら、その強靱さと狡猾さとしぶとさを存分に魅せてくれた事で最終対決のハラハラドキドキの展開が日本映画じゃないみたいに仕上がっていた事も面白いと思わせてくれる理由の一つになっていたと思います。原作ありきではありますが、良く練られた脚本と演出の勝利ではないでしょうか。