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廃れて欲しくないよねぇ、クラフトマンシップは!! 【映画 繕い裁つ人】 [映像・音楽]

一月の最終日。
北風吹き荒ぶ中、【繕い裁つ人】を観るには私の生活圏で一番近い上映館が“MOVIX亀有”と言う事で朝も早くからラン&ウォークで向かいました。
 
「ムビチケ」を使ったweb予約時にアクティベーションがなされていない「ムビチケ」と宣告され(窓口ではよくある話と言われたけど“TOHOシネマズ”“ムビチケ”サイトで購入してても一度もそんな目にあった事はないんですよね。)電話口で予約して貰った経緯があり早めにチケット発券コーナーに行く必要があったのですが、案の定、現場にその話が下りて来てなくて結構、待たされました(笑)


音響がどうとか高精細映像がどうとかを語る作品ではなかったけど、そんなチケット発券でもたついた以外は椅子も広いし列同士の高低差も“TOHOシネマズ”よりあって視聴環境は良かったですね。

さて、肝心の作品の感想ですが、その前にこの映画版としての【繕い裁つ人】がどんな話か掻い摘んでおきますね。
異国情緒溢れる貿易港がある神戸のとある高台に居を構える南洋裁店の二代目・南市江と先代・志乃が仕立てた服を慕って訪れる人々との交流を縦軸にそんな市江本人によるデザインの仕立てをブランド化したいと足繁く通う百貨店企画部・藤井が交差する事で仕立て屋として変ろうとする市江の物語です。


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昔ながらの足踏みミシンの音が全編に渡って流れるのがとても心地よく画面からはタイトなスケジュールで撮影が行われたとはとても思えないほど、ゆったりとした時間を感じ取れる映画でした。とりわけ仕立て屋としての頑固なまでの矜持を持ちつつ持ち込まれた服に対して取り組む市江を演じる中谷美紀さんが素晴らしくてぐいぐいと画面に引き込まれていきます。
そして、一生着続けられるテーラーメイドの服って今を“ユニクロ”で生きる人には全く響かないんだろうなぁと思いながら観てるとちゃんとそれに対する答的なエピソードが挿入されててなんかグッと心を鷲掴みにされます。後、市江が行き詰ると出掛ける近所の喫茶“サンパウロ”の手作りホールチーズケーキを美味しそうにパクつくシーンが幾度と無く挿入されるのですが、このシーンの中谷さんの演技は絶品でしたわ。
 
自分も機械式腕時計など一生直してくれる事を前提としたモノをこよなく愛していきたい派なのですが、一昔前は普通にこの日本でも見られた職人さんと買い手の阿吽の信頼関係はいつしか価格破壊による大量生産品の波にどの業界も飲み込まれてしまってもう青息吐息かと思うと悲しくなります。と同時に、こういう映画を観るとなくしてはならないと強く思います。
なので、せめて自分だけでもちゃんとモノづくりに責任を負う相手を選び、お付き合い出来る様、己を高めつつ生きていこうと思います。
 
最後に本作のメガホンを握った三島有紀子氏の事は昨年、【ぶどうのなみだ】で初めて知りましたがこう言う作品を撮る監督さんもまた今の映画の本流とは違うのでしょうが、これからも芯のある作品を撮り続けて欲しいです。
先ずはBlu-ray化されたら買いますわ( ・`ω・´)キリッ



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