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大気に火をつけてはいけない。【OPPENHEIMER (IMAX レーザー/GTテクノロジー) at grand cinema sunshine】 [映像・音楽]

昨日は通り雨に翻弄されました。
折角のお休みだからリハビリが終わったらそのまま出掛けようかと思ったのですがどうも不穏な雲の動きに惑わされてお家で過ごしてしまいました(^_^;;;

さて、私的に新年度の仕事始めな今日は一昨日の夕方、観て来た映画のお話です。



それは今年のアカデミー賞最多受賞の【OPPENHEIMER】です。
監督はIMAXと言えばこの人、クリストファー・ノーランの最新作にして今までの集大成的な映画であるのは間違いありません。そしてそのお題として掲げられたのは原子爆弾の製造を成功に導いた「J・ロバート・オッペンハイマー」博士の生涯と戦後、ソ連のスパイ疑惑を掛けられる事になった「オッペンハイマー事件」の聴聞会と事件の首謀者ストローズの公聴会、この三つです。そんな異なる時間軸をノーラン節炸裂で交錯させて描かれているからプチ【TENET】感も味わえます。
 
構成としては序破急で各1時間計3時間の長丁場でしたがテンポ良く進むので気が付いたら終わっていました。序の部分は量子物理学の専門用語が飛び交い人物相関図的な構築が冗長ぽくて危なく寝落ちしそうになる瞬間がありましたがそこさえ抜ければ後は画面に食い入って観てしまいました。
 
ロバート・ダウニー・Jr演じるアメリカ原子力委員会の委員長であるストローズが終盤なんとも矮小で疑心暗鬼な政治家として描かれている事とトールマン大統領以下、強大な力を持ってしまった為政者の幼稚さがオッペンハイマーの苦悩に比して描かれている辺りが現実社会でも真っ当な人に対する不当圧力を掛ける輩にひどく被って見えて嫌悪感が募りました。それだけ鬼気迫る演技だと言う証明でもありますが個人的にはそう言う人物とはお近づきになりたくないものです。まぁストローズの側近を演じたオールデン・エアエンライクのストローズの化けの皮が剥がれた際の演技が秀逸で溜飲を下げられたのがせめてもの救いですわ( ̄ー ̄)
 
なお、本作内では原爆投下の生々しい表現こそありませんが超重低音音響に何度も身を晒され炎や原子分裂などの表現がノーラン節全開で描かれる事で逆に空恐ろしく感じさせられます。唯一、どうしてもまともに観られなかったのは広島と長崎の原爆投下成功を祝うロスアラモス国立研究所(原爆を製造した本拠地)の面々を前にするオッピー(オッペンハイマーの愛称)のシーンでしょうか。まぁ、それすらラストシーンに向けての監督のメッセージではあるのですが、難しかったです、個人的に。
 
奇しくも【ゴジラ-1.0】もアカデミー視覚効果賞を受賞した訳ですが一方は原爆/水爆関連のお話を史実として、もう一方はフィクションとして描いてる両作品に冠をもたらした事に大きな意味がある様に思います。



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