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原作がまだ完結してないからこそのアプローチだろう。【アルキメデスの大戦 at MOVIX亀有】 [映像・音楽]

湿度が高い為にダメージを負いやすい灼熱日が続きますね。
着るモノもメッシュ素材にしておかないともう空気の中で茹だってしまいそうです。

さて、今日からのショートショート夏休み第二陣も目まぐるしく動く予定なので水分補給だけはしっかりしようと思います。そんな中、お送りするのはちょうど一週間前に観て来たこちらのお話です。



原作は全く読んだ事はないのですが、戦艦大和が出て来るとあっては予告編を観た時から公開を待ち侘びていた【アルキメデスの大戦】です。
実は弟が原作コミックの大ファンで読んでいないながら概略だけは知ってしまっていたのでした。でも、未完かつまだ本編に出て来ていない我々の知ってる大和ではない大和は出て来こないんだなぁと思い、臨んでみたら、アプローチは一緒でも結果は我々の知る史実へと導きながら戦艦大和があの当時の日本に出現し没する意味を新たな解釈で問う作品なんだなぁと膝を打ってしまいました。特にお話は大和建造前に焦点が置かれてるので大和はそんなに出ないだろうと思っていたら冒頭でまさかのあのシーンを凄絶に魅せられ、子供の頃、父が持っていた大和の最期を扱った劇画を読み、もの凄く気持ち悪くなったトラウマがまざまざと甦ってしまいました。
The_Great_War_of_Archimedes_001.jpg
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お話のほぼ総て会話と数字で魅せる大戦艦を建造すると言う事が一体どういう事なのかが描かれる訳でその辺りにツボを持ち合わせないで観に来てしまった不幸な観客がやたらいつ終わるのかとスマフォで時間を気にすると言うおよそ映画ファンにしたら、拷問の様な二時間の鑑賞になったのでくれぐれも菅田君ファンと言うだけで観に行くのはお奨めしません。
一番の見所は戦艦大和を推す嶋田海軍中将派とこれからの時代は戦艦ではなく航空母艦こそが必要と言う山本五十六少将派に別れての次期建造艦を巡る会議に巻き込まれていく主人公・(実は軍隊が大嫌いと言う)櫂直 海軍少佐と戦艦大和を設計し推す平山造船中将(演じるは田中泯さん)の会議上の弁舌の応酬で、どんでん返しに次ぐどんでん返しは何故、田中泯さんに白羽の矢を立てたのかが分かる仕上がりになっています。また当時の日本軍にあって山本五十六氏(演じるは舘ひろしさん)はまともで理性的な人物だと父から聞かされて育った私としてはまさかの展開もあり、フィクションとは言えちょっと切なくもなりました。
山崎監督なので、史実よりもの凄く進化した大和を観たいと言う気持ちもありましたが、戦争は悲劇しか生まない、それでも起きてしまったら全滅を食い止めるにはどうするのが最適解なのかと言うテーマに置き換えた本作は今までとは全く違った第二次世界大戦の日本を描いており、心に突き刺さる出来映えでした。
最後にそれでも原作のままを観たいとしたら、アニメ化でもしないときっと難しいでしょうねぇ。



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