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優しくて叙情的なSFだね。【ARRIVAL [邦題:メッセージ] at MOVIX亀有】 [映像・音楽]

昨日は土曜日の反動でお出かけもせず、ひたすら溜まったコンテンツを消費しておりました。
最近はどのコンテンツも六話くらい溜まってから一気に視聴した方が頭の中で咀嚼し易いです。多分、込み入った作り込みの作品が増えたのか歳を取ったのかどちらかは分かりかねますがその方が精神衛生的にも宜しいようです(笑)

さて、今日は土曜日に観て来た映画の先ずは一本目のレビューと参ります。



予てから話題に上がりながら中々、劇場でも予告編を観る事が叶わずほぼ事前情報なしで観て来たのは【ARRIVAL [邦題:メッセージ]】です。封切り前から登場する“殻”と訳されていた宇宙船と言いますかモノリス的なものを日本が誇るお菓子“ばかうけ”に似てるなどとメガホンを取ったドゥニ・ヴィルヌーブ監督に問い掛けた事が話題になってましたが正直、そんな問い掛けは中身を観てないで聞いたのではと思うほど、見事で上質なSF作品でした。
お話は突如として劇中に出現する12の“殻”の内、アメリカはモンタナに出現した“殻”の中での出来事を中心に進み、その中に存在する二体の“ヘプタポッド(七本脚)”と呼ばれる未知の生命体と接触しその真意を探ろうとする言語学者ルイーズと論理物理学者イアンに焦点を当てて構築されております。実際はかなり地球規模で緊迫した状況下でのお話ですが戦闘シーンなどと言うものはほぼなく、静かに静かに未知の生命体と対話していきながら、最悪のシナリオである闘いを避ける事で終結されるまでを描いてる本作は凄く滲みるSF作品となっています。

ARRIVAL_001.jpg
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この作品の肝とも言える“アボット”と“コステロ”と名付けられたモンタナの“ヘプタポッド”が脚先をこれまたヘプタ(7)に開いて吐き出す墨の様なもので伝えてくる輪状の表意文字の数々は実に新鮮でこの作品を上質なものに押し上げる最大功労者の様に思えました。また、それを解読していくルイーズが彼らを理解し、真意を汲み取っていく流れと宇宙人=侵略者と言う短絡的に物事を進める人達の流れの対比が戦闘シーンなどなくても見事に二時間近くの映画として成立し、観終わった時に優しい気持ちにさせてくれる作品です。
今、この日本でも急速に流入して来ている多国籍な方々とどう対話し理解していくのかと言う問題や同胞同士ですら身勝手に振る舞う人達とどう向き合わなければならないのかと言う問題に対する答えが詰まってる、そんな事も考えさせられる秀逸な作品に久しぶりに出逢えました。

劇中に登場する様な表意文字で世界中の人々が理解し合える世界が訪れたのなら、それはとても幸せな事だよねと思えますし、時の概念すら変える文字があるなら、無駄な戦いすら終わらせられると言う問い掛けはSF(サイエンスフィクション)じゃなくて、SF(サイエンスファンタジー)な傑作として私の心に刻まれました。
これは、間違いなくBlu-rayを買って何度となく見返します(`・ω・´)キリッ



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