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初船出として観るか観ないかで大きく感想が変わるかもね?【メアリと魔女の花 -Mary and The Witch's Flower- at MOVIX亀有】 [映像・音楽]

もう梅雨は明けたと思いたい、そんな暑さですね。
明日からは世間的にも(珍しく)私的にも三連休ですが、お出掛けには細心の注意が必要かもしれません。取り合えず、今夜は少しでも昼間、シネコンまで歩くのを避ける為にレイトショーで一本観るつもりです。今週末だけで新作が鈴生りでこれから毎週、新作ラッシュになりますからね(^_^;;)

そんな訳で映画レビューも溜まるといけないので先週末封切られたばかりの映画についてのお話にします。



観て来たのは【メアリと魔女の花】です。
この作品、日本人にとって万人向け劇場アニメーションと言うとどうしてもこの三十年の“スタジオジブリ”の偉大なる功績が刷り込まれてしまってるせいで、その直系に当たる制作陣による作品と言う触れ込みがマイナスに働いてる様に感じます。 SNSでも割と辛辣な意見が飛び交ってる様だと拡散されており、素の状態で観に行く事を妨げられてるみたいで正直、私も躊躇しました。


幸いな事にたまたま平日の入りが微妙な回を選択出来たので視界も開け、ノイズの余りない鑑賞状態を作り出せました。
で、感想の前に気付いた事が一つ。
今回の米林監督にとって“ジブリ”ではなく自身のスタジオによる第一回監督作品と言う事は宮崎さんが『風の谷のナウシカ』を創り上げた時と似たような環境かつ年齢もほぼ同じ頃に監督として臨まれたと言う事でした。ただ一つ、違うのは宮崎さんは大人も愉しめる劇場アニメーションと言うジャンルを確立させた開拓者であり、米林監督はその開拓者の船に同乗してた船乗りの一人だった事で無為な世間の荒波に揉まれ、想像以上に厳しい処女航海にさせられたのかもしれません。


Mary_and_The_Witch's_Flower_001.jpg
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そんな大人の事情を実際の処はどうでも良くて、一エンターテイメント作品として面白いかどうかで評価されるべき事だと私は思っています。それを踏まえて感想を述べるとするならば、処女航海としては先ず先ずの船出だったのではないかと言う事でした。宮崎さんの裏に潜む業の様なものがない分、初々しくも純粋なガールミーツボーイ的冒険活劇に仕上がっていました。ただし、作画の追い込みは宮崎さんのあの経験による業をスタッフに強いてない分とカラリングなんかが微妙にあっさりしてて深みと言う部分が足りてない処もあった様に思います。これは昨今の売れたから次もやるよ的な作品でも散見される手抜きではないけど、これ、お金を払って観て愉しんで貰える為の最大限の努力(業)をしてますか?と問い掛けたくなる部分なのですよね。
なので、手放しで思いがけない高評価と興行成績を残すよりは今後の伸び代の為の何かを得られかつ、次作も製作出来る興行成績で終わって欲しいと感じました。

今、オリジナルの誰もが愉しめる長編劇場アニメーションを撮れる監督さんには細田さんと新海さんがいらっしゃる訳で、そのお二人とて紆余曲折があって今があるので、そこに追いつき追い越し、かつ復帰宣言してしまった師を越える為にも、ある種の苦難は必須だと強く感じました。小さく纏まらずにより大きな作品、取り分け、自分の色と言う物をもっと魅せた作品と胸を張れる作品を今後も我々に魅せて欲しいものです。

ちなみに声の出演の方々で意外だったのがフラナガンを演じた佐藤二朗さんとバンクスを演じられた渡辺えりさんでしたでしょうか。観ながら、これは誰?って思ってしまいましたから(笑)
もう少し声優さんを使われても良かった様にも感じた処でしょうか。
今年の夏は想像以上に毎週、新作かつ大作が内外から押し寄せて来ますので正直、厳しいかもしれませんが安心して観られる活劇だとは思うので家族層には良い映画だと思います。



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