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樫の木が綴るとある系譜のファンタジー。【未来のミライ at MOVIX亀有】 [映像・音楽]

週明け早々、首都圏を襲った熱波も少し和らいだとは言え、それはあくまであの40度と比較しての事。
まだまだ、油断出来ないレベルの高気圧ガール状態には違いありません(^_^;;)

少しはこの高温で熱せられた大気を利用して入道雲がモクモクと育ってくれて、夕立でもあれば少しはマシな気がする今日この頃、先だっての週末観て来た映画のお話・その2と洒落込みたいと思います。


 
入道雲がトレードマークと言えば三年に一度、この季節に公開される細田守監督の新作映画の事を指す事は周知の事実だと思われます。今年はそんな細田監督の新作が公開される年で首を長くして公開日を待ち侘びておりました。で、観て来たそのタイトルは【未来のミライ】です。
実は予告編から伝わる四歳児「くんちゃん」が主人公である事とタイトルにもあるし、登場もするその妹であるミライの未来ちゃん、この二人を中心に一体どんなお話が出来るのかしらと言う不安が観る前にはありました。ところが蓋を開けたら、そんなにミライの未来ちゃんは登場しませんでした(爆)
要はこのお話、まだまだ幼い「くんちゃん」が未来ちゃんやお母さん、お父さんに対して癇癪を起こす度に中庭で巻き起こる不可思議な「くんちゃん」の家系の記憶を巡る小旅行的ファンタジーだったのでした。それゆえか、細田監督作品としては二番目に短くオリジナル作品としては最も短い尺で構成されてるのも興味深いと言うかもしかして、割と小さな子が集中出来る限界の尺と場面構成まで考えられてるのかなぁと感じました。


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個人的興味は「くんちゃん」のお父さんが建築家と言う事でお話の主な舞台となるお家が実際の建築家である谷尻誠氏が設計しており、細田監督作品と言えば入道雲と対をなす坂をお家の中に再現されてる事でした。実際、完成したお家は実に哲学的であり『Before After』で散々魅せられてきたリフォームとも通じるものがあり、「くんちゃん」にとっては小宇宙的広さが感じられるものでした。

まぁ、観終わって一番、共感したのは終盤に繰り広げられる「くんちゃん」のお家の中庭にある(実家にも庭に樫の木が植わってたので絶対、そうだと序盤から気になっていた)樫の木が実は「くんちゃん」の家系の系譜的記憶のアーカイバであり、その中に語られた「くんちゃん」のお父さんは子供の頃、身体が弱くて自転車に乗れる様になったのは随分後だったと言うエピソードでしょうか。
私も実はそうだったので、より感情移入しました。普通に結婚して子供がいればその移入度はもっと深かったかもしれませんが、生憎、私は独身ですからそれがちょっと口惜しかったです。
それでもこのお話は「くんちゃん」の成長のお話に例えられてますが誰しも生まれて人生を編んでいく中で必ず通過する心の成長とも捉えられる様に優しい語り口で描かれてるのでこの夏、ご家族で観る映画としては観終わった後に色々と話し合えるそんな要素を持ち合わせてる秀作だと思います。

ただ難点があるとすれば、私は独身なので実際の子育てに関しては全くの門外漢で、幼子二人を抱えたご夫婦としてのリアリティが「くんちゃん」たちのお父さんとお母さんにあったかどうかは判断しかねます。もしかしたら、細田監督の実体験が大きく影響を与えてるとしたらそれこそ、その部分をどうこう言う野暮は置いといて、先程述べた部分を愉しむべき作品なのでしょう。

最後に福山雅治さんが声優をやると聞いて、ドキドキしてたんですが最初、ご本人と分からないほど嵌まっていて驚きましたわ(^_^;;)



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